第33回定期演奏会 曲紹介

プロローグ・ワン

コロナ禍真っ只中の2021年に、浜松日体中学校・高等学校から依頼を受けて作られた曲で、普段の行動や生活が制限されるだけでなく、伝統や文化が断たれそうになる状況においても、新たな文化や発想を生み出し、「前進」していってほしい、という願いが込められています。

また、「プロローグ(=序章)・ワン(=1)」という題名には、今の世界へ対する様々な想いと未来への希望が託されています。

さくらのうた

この曲は、第60回全日本吹奏楽コンクールの課題曲Ⅰ、第22回朝日作曲賞受賞曲です。現在でも演奏会等で多く取り上げられる人気曲ですが、課題曲には珍しい終始ゆったりとしたテンポで当時のコンクールで演奏する団体は少なかった珍しい曲でもあります。

日本の象徴である「桜」がテーマになっており、【サクラを愛でながら思いを馳せるその心が、人によってまったく違うものと同じように、音楽のしなやかな変化を信じて、自分たちだけの『さくらのうた』を演じていただけたら嬉しいです】との作曲者の楽曲解説にもあるように、親しみやすいメロディーとわかりやすいハーモニーの中に一辺倒ではなくどこかもの悲しさもとれる儚さも表現された曲となっています。

本日はTSS一同が、森下さんへの感謝の思いと追悼の意を込めて演奏いたします。

シンフォニア・ノビリッシマ

邦題は「吹奏楽のための高貴なる楽章」で、作曲者が妻に捧げたと言われています。重厚な響きではじまり、スピード感のある主題が繰り返し現れたあと、一転してロマンティックな中間部へ。テンポが戻ると主題のエッセンスが巡らされ一気にフィナーレを迎えます。

この曲は、42年前に創団するさらに3年前、不破中学校が吹奏楽コンクールで県代表になった時の自由曲です。コンクールの前、県代表になれますようにと願い、大人になってもみんなで演奏出来たらいいなと15歳の少年達は夢を語りました。

それから、文化会館の開館とともに町をあげて支援をしていただき、多くの仲間と共に町の方

々にこの曲を聴いてもらえる喜びと感謝をこめて、そして旅立った友へ届くように演奏します。

2022年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅳ サーカスハットマーチ

指揮者、演奏者として活動している奥本伴在が、全日本吹奏楽コンクール課題曲の募集に30年以上応募し続け、初めて入賞した作品です。

サーカスハットとはサーカス小屋という意味で、この曲では、目まぐるしく展開するサーカスの演じ物を観て、ワクワクドキドキする様子が描かれています。

前半に、バスクラリネット、フルート、ピッコロ、アルトサックスのソロがあります。展開が速いので、お聴き逃しのないように!

モーセとラメセス

古代エジプトの女王に川で拾われ、女王の子として王宮で育った「モーセ」。実は奴隷とされているヘブライ人であり、ある時、王の実子「ラメセス」にそのことを知られ、砂漠に追放されてしまいます。

シナイ山の麓にたどり着き、そこで妻子と穏やかに暮らしていたモーセですが、ある時、山の神から「ヘブライ人をエジプトより導き出せ」と啓示を受け、エジプトへと戻ることになりました。

モーセは、エジプトの王となっていたラメセスに、「ヘブライ人を解放しないと、神からの十の災いがエジプトを襲う」と話し、実際、その通りに次々と災いが起こり、ラメセスの息子にも災いが降りかかったことで、ついにヘブライ人はエジプトから出ていくことを認められます。

しかし、エジプトを脱出する途中、ラメセスが率いる軍によって、海の手前へと追い詰められてしまいます。逃げ場を失ったヘブライ人たちでしたが、モーセが神へ祈るとなんと海が2つに割れ、道が開け、無事に脱出することができたのです。・・・というストーリーの映画「十戒」を基にこの曲は作曲されました。

王宮の華やかな様子を表現したファンファーレで始まり、奴隷として働いているヘブライ人がエジプトから脱出しようとする様子や、絶体絶命の状況で脱出に成功する様子などが描かれています。

東京ブギウギ

1948年にレコード発売された笠置シヅ子の代表曲で、戦後の日本の活気あふれる様子を表すような明るく元気なナンバーです。

美空ひばりを始めとする多くのアーティストにカヴァーされ、現代でもCMやスポーツ応援など多くの場面で耳にします。世代に問わず多くの人がタイトルを聞いただけでメロディーが思い浮かぶのではないでしょうか。そんな往年の名曲を吹奏楽アレンジでお楽しみください。

曲調を少しずつ変化させ、さまざまなパートに旋律を受け渡し展開します。各楽器がフィーチャーされるところもぜひ注目してお聴きください。

スウィート・メモリーズ

日本を代表するアイドル歌手、松田聖子の『SWEET MEMORIES』は、1983年に発売されたシングル『ガラスの林檎』のカップリングとして収録された楽曲です。もともとはシングルのB面でありながら、サントリーのCMソングに使用されたことがきっかけで広まり、1999年のNHK紅白歌合戦ではこの曲で出場しました。そして、松田聖子の優雅で美しい歌声と、甘く切ない恋模様を描いた歌詞が魅力となっています。

その歌詞には、「でもあなたを見たとき時間だけ後戻りしたの」「過ぎ去った優しさも今は甘い記憶 Sweet memories」など、甘く切ない大人の恋模様が描かれていますが、本日は、今は亡き前音楽監督と過ごした懐かしの映像とともにお聴きください。

ドント・セイ・ザット・アゲイン

この曲はイギリスのフュージョンバンド、シャカタクにより1983年にリリースされたインストゥルメンタル(歌が無い)の楽曲です。リリース時はシングル曲“Out Of This World”の2曲目に収録されたいわゆるカップリング曲でしたが、今なお根強い人気を誇っています。

1985年に岩井直溥氏により吹奏楽用にアレンジされ、ニューサウンズ・イン・ブラスから出版されました。サンバ調の軽快なリズムが特徴で、中間部には中低音域による長めのsoliが登場します。

なお、この曲かつてはTSSの演奏会においてアンコールの定番曲だったとの事。当時のTSSをよく知る方には懐かしんで聴いていただけると幸いです。

アンコール曲 風笛  オーボエソロ:森下理恵子

この曲は、1999年10月から放送されたNHK朝の連続テレビ小説「あすか」のテーマ曲です。元オーボエ奏者 宮本文昭氏が演奏していました。

中学生の時に母と聴きに行った、宮本文昭氏のファイナルコンサート。

自身もいつかこんな風に演奏出来たらと、とても感動したのを今でも覚えています。

父の反対を押し切って進んだ音楽家への道。

演奏会があると両親で聴きに来てくれた事、嬉しかったのですが、照れくさくて父とはほとんど会話を交わしませんでした。今となっては、それが心残りです。

突然旅立ってしまった父。

自宅を後にする父への最期の親孝行として演奏したのがこの「風笛」です。

TSSを応援し、支えてくださっている皆様方に感謝の気持ちを込めて本日は精一杯演奏いたします。

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